日本歯内療法学会のガイドラインで推奨される処置ですが、実際の使用率は一般開業医で約3割、日本全体ではさらに低いという報告もあります。義務ではないのにやる医院とやらない医院の差が大きく、医院を見分ける材料として機能する項目です。
根管治療(歯の神経の治療)をする時、治療する歯だけをゴムのシートで覆って、唾液や他の歯から切り離す道具です。手術で体にかける「滅菌ドレープ」の歯科版とイメージすると分かりやすいです。使われていれば、治療中に口の中に色付きのゴムシートが見えます(下の図のような状態)。
使用率のデータ
日本歯内療法学会の調査(学会誌42巻3号, 2021年掲載/元データは2000年実施)では、「必ず使う」割合が同学会の専門医で約60%、学会員で51.5%だったのに対し、学会に所属しない一般の歯科医師では約30%でした。別の集計では、日本全体の使用率はわずか5.4%(2011年時点のデータとして複数の歯科医院サイトで紹介)という数字も広く知られています。
なぜ差が出るのか
日本の保険診療は全国一律の点数制度で、ラバーダムを使っても点数は変わりません。材料費・消毒・装着の数分の手間はすべて医院の持ち出しになるため、採算重視の医院ほど省略しやすい処置です。